
寝苦しい夏の夜でも
快眠で素肌美人!
良質な睡眠は美と健康のバロメーター。日々の生活習慣にちょっと気を配るだけで、睡眠の質は向上します。睡眠の質が向上すると、体調だけでなく、肌にも良い影響が!自分自身の身体や生活習慣を整えて素肌美人をめざしましょう!
01.睡眠の質が人生の質も肌の質も左右する
私たちは人生の約3分の1もの時間を睡眠に費やしていると言われています。そもそも睡眠は、心身の疲労回復や記憶の整理はもちろん、免疫力の向上やホルモンバランスを整え、ターンオーバーを促進するなど、美と健康を保つためにさまざまな役割を担っています。
良い睡眠がとれないことで、老化の進行や病気のリスクにつながる恐れも。特に近年夏は猛暑で寝苦しさは増すばかりです。入眠のためには深部体温を下げることが大切ですが、暑さで深部体温が下がりにくく寝つきが悪くなりやすい環境です。そこで、今回ご紹介する快眠のコツを実践して良質な眠りを手に入れましょう。

教えてくれた人 1万人以上の眠りの悩みを解決してきたスペシャリスト

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。全国での講演や執筆活動の他、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなどを手掛ける。著書に『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)他、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。NHK「あさイチ」など、テレビ番組にも出演多数。
02.快眠のコツをご紹介!

午前中に太陽光を30分以上浴びる
太陽光を浴びると、セロトニンの分泌が増え、夜になると眠気を促すメラトニンに変わります。セロトニンがメラトニンに変わるのに時間がかかるため、午前中に太陽光を浴びましょう。買い物の行き帰りで30分歩く、庭のお手入れで30分屋外にいる、などでもOK。また直射日光を浴びなくても、窓辺で読書をするのもおすすめです。

「感動」することが眠気の元をつくる
東京大学と理化学研究所の研究で「カルシウムが眠りの長さを決める」という報告がありました。つまり、睡眠には脳の神経細胞内に「カルシウムイオン」を取り込むことがポイント。そこで大切なのが「感動」です。感動すると神経細胞が興奮するためカルシウムイオンが多く入ってきます。すると眠気の元がたくさんつくられ、よく眠れるようになるのです。

20分の昼寝習慣でスムーズな入眠へ導く
体内時計が正常に働いていると14~16時頃は眠気が強くなります。眠気を覚えたら昼寝はOK!仕事のある方は昼休みを活用するのもおすすめ。昼寝をする場合は毎日決まった時間に、横にならずソファにもたれた状態が◎。昼寝によって心身がリフレッシュされ、午後の活動量が増えることで疲れがたまり、睡眠の質が良くなります。

夏でもぬるめのお湯に15分程度浸かる
就寝の1~2時間前にぬるめのお湯(38~40℃)に15分程度浸かりましょう。湯船に浸かることで体温が上昇し、その後、深部体温がぐっと下がるタイミングで眠気が強くなるため、スムーズな入眠へつながります。

パジャマに着替えて入眠スイッチオン
睡眠時はパジャマに着替えて意識を睡眠モードに。夏は、肌に張りつかない楊柳やダブルガーゼ生地などがおすすめです。そして、胸元から熱が逃げやすいように胸元が開いたもので、パンツも同じく熱が逃げやすいようにワイド幅の長ズボンが良いです。また、締めつけが少ないほうがリラックスできます。

背中が蒸れずに快適夏は横向き寝がおすすめ
横向きで寝ると背中が布団に密着しないため蒸れにくく、不快感による中途覚醒を防ぐことができます。また、抱き枕を使うと横向き寝がしやすいです。胸も圧迫されないため、呼吸がスムーズです。
光源が目に入らないよう豆電球は消して寝る
明るいと光の刺激により眠りが浅くなるため、睡眠中は豆電球は消して寝るのがおすすめです。夜トイレに起きたときは照明をつけると光が強すぎて再入眠しにくくなるため、フットライトなどの照度の低いものにして、目に光源が入らないように工夫しましょう。

枕は立っているときの
自然な姿勢を保てるものを
高い枕は脳卒中のリスクが高まるだけでなく、首のシワや肩こり、いびき、二重あごなどの原因となります。逆に枕を使わないのも首の横ジワや顔のむくみなどにつながってしまいます。理想的な枕は、中央は低め、両サイドは高めに設計され、横向きに寝たときに背骨と首がまっすぐに保て、あお向けで立ったときの姿勢のまま寝ることができるものです。

夏の夜、エアコンは一晩中つけておく
人は深部体温が下がることで深い眠りにつくことができます。部屋が暑いと身体に熱がこもり、深部体温が下がらないため熟睡できません。夏に人が快適に眠れる温度は25~28℃と言われています。そのため、夏の夜はエアコンをつけっぱなしに。電気代が気になる場合は、高めの温度設定にして、扇風機を併用しましょう。

ペパーミントの精油で体感温度を下げる
28℃の水に手を入れたときの体感温度と、ペパーミントの香りをかいで32℃の水に手を入れたときの体感温度が同レベルという報告があります※。ただし、ペパーミントは覚醒作用があるので、真正ラベンダーとの併用がおすすめ。真正ラベンダーは睡眠効果が期待できる精油です。ディフューザーを利用しても良いですが、一番手軽なのはティッシュにブレンドした精油を1滴含ませて枕元に置くこと。リラックス効果も期待できます。
※出典:「香りが感覚/使用感触の判断に及ぼす効果」
(株)資生堂製品開発センター香料開発室 庄司健(発表当時)より
03.良い睡眠は食事から!
睡眠の質を高める栄養素とは?
質の高い睡眠には、日々の食事が重要です。特に、アミノ酸の「トリプトファン・GABA・グリシン」は、それぞれ異なるメカニズムで睡眠に良い影響を与えるため、積極的に摂取しましょう。
トリプトファン
トリプトファンは体内で「セロトニン」に変わり、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変換されます。


GABA
興奮した神経を落ち着かせ、心身のリラックスを促し、寝つきを良くしたり、深い睡眠をサポートする効果が期待できます。


グリシン
入眠時に身体の深部温度を下げ、心地良い眠りに導き、目覚めを助ける効果が期待できます。

規則正しい朝食は、体内時計を整え、セロトニンやメラトニンの分泌を促し、良質な睡眠へとつながります。大豆製品はトリプトファンが多く含まれているので、味噌汁、ご飯、納豆などの定番の和朝食がおすすめです。


